肩コリに次いで、多いのが首コリ。首コリが酷いと頭がとても重く感じますね。目覚めもスッキリせず、いつも倦怠感を感じ、頭も冴えません。首コリを放っておくと怖いのが、脳への影響です。硬さに慣れてしまい、凝っていない錯覚に陥る事はとても危険。首が回らないなんて事にもなりますよ。出来れば毎日ケアしたいものです。そこで、毎日、30秒で出来る首コリ解消のストレッチのやり方を紹介していきましょう。
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首と脊髄と関係
首とは、お分りのように、頭と胴体を結ぶ体の部位の事を指します。医学用語では、頸を使います。病名を示すときは、この難しい字体の方を使います。首の骨の事を、頚椎といい、首の骨の中には、脊髄という神経があるのですね。首の部分の脊髄を頸髄と言います。
首回りの病気については、上記のような名称が付きます。脊髄というと、背中だけのイメージがつきやすいですが、脊髄は、正確には、脳幹の下端から脊椎の一番下近くまで続いている神経なのですね。
首の調子が悪いときに出てくる症状を理解するには、首の中を通っている神経の事を理解する必要があります。
首の骨(=頚椎)の中には、脳から連続している頸髄という神経と、その頸髄からでてくる神経根という2つの神経があります。これらの頸髄、神経根が押さえられると、神経症状が出てきます。
症状として、首の痛みだけではなく、手足の痛みや動作弊害、また膀胱や直腸などにも弊害が出てくるのですね。(参照図:日本脊髄外科学会資料)
体全体に弊害をきたすため、この首と脊髄の神経症状は、軽く見てはいけないのです。実際に、某大物女優さんが、ある時期、首の痛みに悩み、しまいには頭がかち割られたような激痛に苦しめられたという事をテレビで放送していましたが、原因が頸髄損傷によるものだったと解説しておりました。
処置が遅かったら、命にも関わったという事ですので、この首周りの損傷は場合によっては、非常に危険であると言えます。
首の役割l
首は、頭部・顔面を支えて胴体とを繋げているだけではありません。主要な神経や血管が通り、咽頭、食道、喉頭、気管などが通り、食べ物や空気の通過及び発生をつかさどる臓器が存在しております。前章でも述べた通り、首の背側には頚椎と呼ばれる骨が連なっており、首と頭を支えております。
頚椎と周囲の筋肉がバランスをとり、頭の位置をコントロールしています。生命維持に必要な器官が集まっておりますので、万一、ここを損傷すれば体の機能が麻痺してしまうような事態にもなり兼ねません。
首は人体の中で、重要な役割を担っているにも関わらず、一番体の中では華奢な構造です。臓器や脳などは、筋肉や脂肪、頭蓋骨で守られております。一方、首は、覆われている筋肉も薄く、骨も細いのですね。
無防備な状態でありながら、首には、沢山の神経が通っておりますので、首に炎症を起こすと、場合によっては、大変な状態になり兼ねないのです。
首コリを放っておくとどうなる
首コリは、筆者自身もある時期からずっと悩まされている問題です。ダンスをして体を動かしているのに、なぜなるの?という疑問が湧くかもしれませんが、どうやら、この問題は、運動をしていても別であると言えます。
勿論、全くしていない状況に比べば、体の状態は異なりますし、コリの軽減もあります。しかし、全くコリがなくなるという状態には、残念ながらなりません。
整骨院の先生の所見によると、原因として考えられるのが、
- 骨格の性質
- 無意識に首が前のめりになっている
- 首が長い
- 人に見られているという緊張状態
- 常に交感神の方が副交感神経より優位である
- 呼吸が浅い
ということでした。筆者自身、ダンスを仕事にしている事もあり、姿勢には自信があり、またよく多くの方から、姿勢が美しいとのお褒めの言葉を頂いているので、姿勢を指摘された時は意外でした。背中のラインはスッキリとしているのでしょうが、首が正しい位置にはないという事なのですね。
本来、正しい位置に首があると、コリなどはあまり生じないらしいです。しかし、大抵の人は、背骨からの歪みから、首の位置が段々と曲がってくるので、正しい位置にというのは、なかなか難しいでしょう。普段、あまり首コリを感じないという人でも、日常的な疲労や、動作癖などから、知らず知らず何かしらの弊害が出ていると思われます。
そこで、首コリのケアをせずに放っておくとどうなっていくのでしょう?
筆者は、常日頃から整骨院に通ったり、レッスン以外でもストレッチをしてセルフケアしたりするなど、ボディメンテナンスはしておりますが、忙しい時は、整骨院に行けない時もあります。あまりにも行けない期間が空いてしまうと、
まず、首の状態は、鉄板でも入っている様な硬さになり、自ら指圧しても指が筋肉に入り込んでいかなくなります。そして、後頭部が痛くなります。酷い時は、首を後ろへ反ったり、横に向けたりする動作などがきつくなります。首が回らないのですね。
そしてその状態から更に酷くなると、首に全く感覚がなくなります。首が回らない状態になります。ここまでくると頭痛が起こります。頭痛薬を服用しても全く痛みは治まらず、立ってる事もままならない状態になります。吐き気を催す時もあるのですね。
この様な状態になった事がある人はいると思います。筆者の身近な人にも数人、その様な状態になる事があると言っております。ただ、筆者の経験から、この様な状態になった時は、ひたすら横になり、寝る事で解消される事が多いです。
しかし、頻繁にこのような状態が起こると非常に危険です。場合によっては、命に関わるので要注意です。
では、この状態を放置しておくと、下記の病気になる可能性があります。
- うつ病
- パニック障害
- 脳梗塞
- 脳溢血
- 心筋梗塞
- 自律神経失調症
- 緊張型頭痛
- ムチウチ
- 更年期障害
- 起立性調節障害
- 慢性疲労症候群
単なる首コリだと言って侮ると、恐ろしい病気になる可能性があるので、放置はしない様にしましょう。
首コリからの精神的な影響
首コリからくる身体的な影響は、非常に危険である事は前章で述べました。では、身体的な影響のみならず、精神的な影響はどうでしょうか?
筆者の経験から、首コリに限らず、体の何処かにコリを感じていると、精神面でもあまり良い状態とは言えません。体の重さからくる倦怠感や、スッキリしないモヤっとした感覚、時にはイラつきなども感じます。
筆者は元々、ポジティブシンキングですし、毎日を楽しく過ごす!と決めているので、そんな感覚が襲ってきても、翻しますが、状態があまりにも酷い時は、倦怠感、イラつき、やる気が起きないなど、そんな感覚になってしまいます。
前章で挙げた病気にうつ病がありますが、繊細な性格な方だと、首コリが酷くなると、そうなる可能性が高くなるのでしょうね。「病は気から」という諺がありますが、その逆もあるわけで、病気が酷くなれば、気も落ちやすくなるのですね。
また、その諺の通り、過度のストレスから、首コリに繋がりますので、身体的な影響と精神的な影響は常に表裏一体であるのです。
首は特に、頭に直結してます。脳神経に近いので、首を痛めてしまうと、あらゆる神経に影響を及ぼしてしまうため、精神疾患も酷くなると言えるのです。
首コリ解消ストレッチのやり方
首コリの解消の方法は、日常的なセルフケアと整骨院などによるケアの方法があります。出来れば、セルフケアと他者によるケアの両方を組み合わせる事が理想です。自分で出来ることは限界がありますし、専門家の見地で診てもらう事は、未病に役立つからです。
かと言って他力本願でセルフケアを全くしないでは、体調は改善されていきませんので、日常的なセルフケアをする為に、ストレッチはとても大切になってきます。
筆者は、長年首コリに悩まされてきておりますので、これまであらゆるストレッチを試してきました。そこで、筆者が沢山試してきた中で、有効な首コリのストレッチのやり方について紹介していきましょう。
◉ タオルを使用した首ストレッチ
- バスタオルを用意する
- 肩幅に両足を開く
- バスタオルを左肩に掛け、両手で下へ引っ張る
- その状態で首を右へ真横に傾ける
- 反対側も同じ様にする
必ずゆっくり息を吐きながら、行ってください。1回につき15秒が目安です。
◉ 首が回らない時のストレッチ
- 両足を肩幅に開く
- 両手を後頭部へ回す
- 両膝を軽く曲げる
- 後頭部へ回した両手に体重を乗せ首を倒す
- そのままの姿勢で30秒キープ
ゆっくり呼吸をすること。後ろの首がスッキリとなり、首が回りやすくなります。
◉ 首伸ばしストレッチ
- 両足を肩幅に開く
- 右手を頭の左側面に置く
- 左腕を後方へ伸ばす
- 同時に左側面に置いた右手で頭を右へ倒し、首を伸ばす
- そのままの姿勢で10秒〜20秒キープ
- 反対側も同じ様にする
上記の首のストレッチは、筆者が日常的に取り組んでいるものです。首が回らないほど、首のコリを感じた時は、「首が回らない時のストレッチ」がとても有効ですが、他の2つのストレッチも効果があります。但し、どの様なストレッチでもそうですが、正しいやり方で取り組まなくては、効果がありません。
何となくこんな感じではなく、ストレッチのやり方に注意してくださいね。それから、コリが酷いからと言って、強すぎる力でやらない様にしましょう。
まとめ
首コリは、肩コリに次いで、悩んでいる方が多いでしょう。特に現代ではデスクワークが主流になっていますし、そうでなくても接客業においても、体へのダメージは大きいですね。なので、1日の中の3分、5分でも良いので、日常的に体へのセルフメンテナンスをお勧めします。