30歳を過ぎた頃から、なかなか疲れが取れない、または疲れやすい、寝つきが悪い、なんていう状況に悩んでいる方もいるのではないでしょうか?加齢に伴い、体質というものは変わってきます。快適な生活を送るには、体質の変化に伴い、自ら体質改善に臨み、日々心掛けていかなくてなりません。体質改善をする方法の1つに運動があります。それでは、疲れにくい体質にする運動について紹介していきましょう。
女性の体のメカニズム
前回の記事で、東洋医学的に見ると、7の倍数で女性の体は変化する事を解説しました。
その記事がこちらです。
この記事にあるように、女性の体は、28歳でピークを迎え、35歳を過ぎた頃から、筋力や容姿の衰えが出始めてきます。
そして、40歳を過ぎた頃には、体の不調を感じるようになり、体質の変化を自覚します。
体の不調に、
- 腰、肩、膝の痛み
- 疲れやすい
- 視力の低下
が挙げられます。体力と代謝に関する変化を感じるのもこの年代くらいからなのですね。例えば、
- 痩せにくいどころか太りやすい
- 汗をかきにくい
- 肌荒れが目立つ
- 最後の踏ん張りが利かない、スタミナ不足
- 便秘気味
- 睡眠不足後の肌の回復が遅い
など、顕著に体に出てくるのです。更に女性の場合、妊娠・出産がありますので、この要素も体質の変化に大きな影響を及ぼします。
女性は、妊娠・出産をする為に月経がありますね。この女性特有のホルモンもまた、体質の変化に大きく関わってきます。加齢と共に、卵巣からの女性ホルモンの分泌量が減少していき、やがて月経は停止し、閉経します。
閉経の前後に更年期(閉経周辺期)と呼ばれる移行期があり、体内の女性ホルモンの量が大きく変動します。そのため、月経周期不規則になるほか、不定愁訴として、
- 血の道症(臓器・組織の形態的異常なく、抑鬱や寝つきが悪くなる、神経質,集中力の低下の精神神経症は現れる病態)
- 冷え性、腰痛、頭痛、頭重
- ほてり、のぼせ、立ちくらみ
などの症状が起こる事があります。こうした症候群が更年期障害と呼ばれるものです。
加齢と共に女性特有のホルモンバランスが崩れますので、ある意味、男性よりも体質の変化を顕著に感じやすいと言えます。また、体質改善をもっと高い意識で心がけていく事も女性の方が必要と言えるでしょう。
加齢に伴う体の変化
前項で、女性の体の変化について、紹介しましたが、この項では、更に深く細胞、臓器レベルの老化について解説しますね。
一般に私たちの体を構成する細胞は、限られた回数しか分裂・増殖出来ません。(人間の体細胞は平均50回分裂が可能) よって、最終的に細胞は分裂を停止し、増殖する事は出来なくなります。
この状態を「細胞老化」と言います。
細胞老化は、臓器の老化につながり、個体の老化へとつながっていきます。
細胞の分裂能は、生体の全ての細胞が同じではなく、器官や組織により異なります。臓器レベルの老化は、最初からほとんど分裂能を持たない脳、神経細胞や心筋細胞のように、細胞が壊れる事が、直接臓器の老化につながる場合と、これら以外のほとんどの臓器に見られるように、約50回の分裂を終え、細胞が分裂しなくなる事で、生じる老化があります。
いずれにしても臓器は加齢により老化するのですね。
臓器の老化は、実際には、機能低下といった形で現れます。胃の老化では、胃壁細胞から胃液の分泌が、主細胞からはペプシノーゲン分泌が低下すると同時に消化管運動も低下するというように機能低下が起こるのですね。
また体を構成する組織では、筋肉が20歳台前半をピークに、縮み始めます。骨量も20歳台後半が最大で、その後、男性は徐々に、女性は更年期直後に急速に低下します。最後に減るのは、脂肪組織で、そのため初老期は脂肪の割合が多くなりますが、老化が進むと脂肪も減少します。
このように、加齢と共に、また東洋医学的見地からも、20歳台をピークに細胞レベルから、衰えてくる、そしてそれがあらゆる臓器低下、組織低下を引き起こすのですね。
よって、そうした体のメカニズムを知って、加齢と共に生活スタイルなどを見直していく事で、快適な生活をしていく事が可能なのです。
疲れやすい原因の1つに「脳の疲れ」
加齢と共に、身体機能が細胞レベルから低下する事により、低下していく事はお分かりになりましたね。
身体機能が全体的に低下していくわけですから、加齢と共に「疲れやすい」体質になっていくのは、仕方がないとも言えます。
しかし、若い頃のようにいかなくても、年齢を重ねても活気溢れる生活をし、少しでも体質改善は計りたいものです。
過去の記事に、腸の状態が健康に大きく影響を及ぼすという事を解説しております。よく、世間でも腸活と騒がれてますね。人間の臓器で腸が占める割合が多いのですから、健康に影響を与える事もうなずけます。
また、一方で、「肝臓」の状態が健康に大きく影響を及ぼすと言う医学的見地もあるのですね。それは、肝臓が代謝、解毒、胆汁の成分・分泌といった人体にとって非常に重要な役割をいくつも担っているからなのです。
何れにしても、臓器の状態は、人体に大きく影響を及ぼす事は、間違いありません。
実は、「疲れやすい」原因の1つに、「脳の疲れ」が最近、注目を浴びております。現代人は、多忙な日々を送っております。特に女性は、仕事の多様化が進んだ事で、結婚後、出産後も仕事をする人も増え、ゆっくりと過ごす事が難しくなっている状況です。
家事、子育て、仕事、人間関係の構築、いつも脳はフル回転をしておりますね。過度な仕事や運動、メンタルな悩みなどは、脳が全て「ストレス」として受け取り、対処するために様々な指令を体に送ります。強いストレスが続くと、脳内にの処理が増大して活性化酸素が発生し、脳が酸化ストレスにさらされ、本来の働きが出来なくなります。
その時に、脳は「疲れた」というサインを体に送るのです。
よって、脳の疲労を取る唯一の方法は、
- 睡眠をしっかり取る。
- 脳の疲れを癒す環境や習慣を作る。
事なのですね。
脳の疲れを癒す環境や習慣とは、
- 1時間に5分程度休憩を取る。
- デスクに座ったまま1人での食事はNG、外出して光や風、緑に触れて食事を仲間とする。
- ヨガ、ストレッチで汗をかかない程度に血流アップを図る。
- お酒は少量、血流を促す程度にする。
- ぬるま湯で10分〜20分の半身浴 +5分程度の全身浴をする。
- イビキを防ぐために横向きで寝る。
などが挙げられます。
こうした生活改善をする事は、結果的に体質改善にもつながっていきます。脳の疲れを癒してあげる事で、体の各機能への負担も減っていきますので、忙しすぎる現代の女性に、是非ともこうした習慣を取り入れてほしいものです。
体質改善にオススメの運動
疲れやすい体質を改善する方法の1つに運動があります。過度な運動はかえって筋肉を痛め、脳へストレスを与えてしまいますが、適度な運動は、生活の中で必須と言えます。
現代人、特に日本人は、他国と比べ運動に対する関心が低いです。保険制度が充実しているせいもあって、「具合が悪くなったら病院へ行けばいい」と考えている人が非常に多いです。他国、特に米国では、保険制度が未熟なために、病気になった時の医療費がとんでもない額になるため、予防に対してとても意識が高く、日頃から運動を心がけている人が多いのですね。
運動は、体の免疫機能を高め、体力もつき、疲れにくい体質へと変えてくれます。
そこで、一番オススメの運動が「有酸素運動」です。
前項でも述べた通り、激しい運動は、かえってダメージを与えることになり兼ねません。適度な運動が望ましいのですね。
有酸素運動は、酸素を脳に取り入れていきますので、脳にリラックス効果を与えます。脳が癒されれば、疲れも取れていきますので、良質な睡眠に導いていくのです。
それでは、具体的なオススメの有酸素運動についてですが、下記の記事に有酸素運動のメリットや具体的な運動について解説してありますので、ご覧ください。
この記事内で勧めている有酸素運動は、運動を苦手とする人も取り組みやすいものなので、是非、チャレンジしてもらいたいと思っております。記事のタイトルにもあるように、ダイエットにも有効なものですので、一石二鳥ですよ。
まとめ
女性は、男性に比べて女性特有のホルモンバランスによる変化で、体質が顕著に変わりやすいと言えます。東洋医学的見地に沿って、年齢に合わせた生活スタイルの見直し、体を、脳をしっかりと休ませると言う事を日頃から心がけていく事で、少しずつ体質改善は図れると思います。