なぜ寝る前のストレッチが痩せると言われているのでしょうか

朝、起きた時のするストレッチ、寝る前にするストレッチは、それぞれ体への効果が異なると言われております。寝る前のストレッチは、睡眠を促すのに効果的である一方、痩せる効果もあるという説があります。それでは、なぜ、痩せるのか、その根拠について検証していきましょう。

ストレッチが必要な理由

ストレッチが必要な理由は、怪我の予防、関節の可動域を広げる、血液の循環を良くするなどが挙げられます。特に何かの運動をする前には、必ずと言ってよいほど、ストレッチは必要になります。この場合は、怪我の予防を目的としております。

それから、現代の日本人の生活は、デスクワーク、または、立ちっ放しでの接客などが多く、長時間同じ姿勢で拘束される事が多くなっております。その結果、血液の循環が悪くなり、肩凝り、首凝りなどの症状が酷くなっている人が増えておりますね。

ずっと同じ姿勢でいる事で、筋肉が硬直し、血液の流れが滞ります。血液の循環が悪くなれば、酸素や栄養素が体全体に行き渡りにくくなり、また老廃物や疲労物質も流れませんので、溜まったままとなって、疲労感が抜けない状態が続く事になります。万年、疲労している感覚でしょうか!

そして、基礎代謝も下がりますので、太りやすくなります。そればかりか、そのまま放っておくと、それが引き金となって、40、50肩、坐骨神経症になる可能性もあるのですね。筆者の生徒の中にも、若い頃に体へのケアを怠っていたが為に、40肩、坐骨神経症になっていた人もおりました。

あらゆる病気の根本的な原因は、血液の循環が悪い事が圧倒的に多いです。脳梗塞、脳溢血、心筋梗塞など、元を辿れば、血液の循環の悪さが引き起こす病気です。よって、「たかが、ストレッチ、されどストレッチ」侮っていると、恐ろしい結果を招く事になりかねないのです。

ストレッチがもたらす精神的な効果

筋肉が硬直し、血液の流れが悪い状態の時、肩が凝ったり、背中や腰が痛くなったりしますね。体に明確な症状が出なくても、体全体が重かったり、頭が重かったり、だるさを感じたりすると思います。そんな時、心の状態も、憂鬱になったり、すぐにイラついたり、精神的な面でもマイナスな状態だと思います。

自分ではそんな事はないと思っている、自覚症状がなかったりなど、普通の生活をしているとそう思いがちなのですが、ストレッチをした後の精神状態は明らかに違います。これは、自身の実体験もそうですが、多くの生徒を見てきた結果、腑に落ちた結果であると断言できます。

筆者自身も必ず、起床時と就寝前に、ストレッチをしております。特に入浴後の寝る前にストレッチをすると、体が弛緩するので、気持ちがゆったりとし、リラックス出来ます。眠気も催すので、何か悩み事や考え事をしていても、面倒になり、何とかなるだろう、と楽観的にもなってくるのです。体と心は一体であるとよく言われますが、本当にそう思いますね。

レッスンの時にも、ステップの練習に入る前には、ストレッチや筋トレを入念にやりますが、この場合は、怪我の予防や関節の可動域を広げる事を目的としております。それとは別に、月に1回、ボディメイキングコースというレッスンを開催をしておりますが、このレッスンでは、肩凝り・首凝り解消などのストレッチも行っているのですね。

デスクワークや立ち仕事をしている生徒が多かったので、この様なレッスンも取り入れていたのですが、1時間ほど、ゆっくり時間を掛けてやっていくと、ほとんどの生徒が、体が軽くなり、気持ちが良いと言っております。レッスン前の固い表情に比べ、終了後は、表情が穏やかになり、口角も上がっております。

それだけ、心と体は密接に繋がってます。特に体に問題を感じていなくても、実際は、日常の疲労の蓄積によって体は固まっておりますので、5分でも時間を取って、ストレッチをやってみましょう。とてつもないリラックス感を味わえるはずです。

朝、起きた時のストレッチ効果

起床時のストレッチの役割として、主に挙げられる事は、「怪我の予防」です。寝ている間は、水分も取っていない状態ですし、ほぼ体も動かしておりません。よって、血液もドロドロの状態であり、体全体、各関節も固い状態なのですね。

そこで、5分程度でもストレッチをする事で、関節の可動域は広くなり、血液の循環も良くなりますので、歩行時などの怪我の予防に役立ちます。勿論、ストレッチをしなくても怪我をする事はあまりありませんが、不意に躓く事があっても、軽く済む事が多いですね。

また、朝、起きた時にストレッチをした時としない時では、体が感じる重さが違います。眠っている間に固まってしまった体を伸ばす事で、血液の循環が良くなり、体全体が軽やかになります。足首、手首の関節のストレッチをすると更に、歩行時の感覚、手を動かす動作などの感覚も異なります。

1日の始まりに体の状態を整えるのと、そうでないのとは、仕事をする上でも、家事をする上でも、遊びをする上でも、全く違う過ごし方になると言えるでしょう。ストレッチによって、体全体が軽くなる事で、心も軽やかになり、充実した1日を送る事が出来るのですね。

寝る前のストレッチ効果

では、寝る前のストレッチには、どの様な効果があるのでしょうか?

まず、寝る前の過ごし方というのは、翌日の活動を快適に過ごし、エネルギーを十分に発揮させる為にとても重要になります。出来れば、寝る前の2時間前から準備をする事が理想です。

昼間は、自律神経の「交感神経」が優位になります。仕事などで集中している時や何かしらの活動をしている時は、交感神経が優位になるのですね。しかし、寝る前には、神経が興奮した状態であると、なかなか寝付けなかったり、睡眠が浅かったりしますので、「副交感神経」を優位にさせなくてはなりません。

つまり、リラックスした状態にする事が、必要になります。特に現代では、パソコンによる仕事が多い事や、接客業につきましては、ずっと立ちっ放しの事が多いですよね。そんな状態では、体は悲鳴をあげているわけであり、無自覚でも体はカチカチです。

体と心は、表裏一体です。体が硬ければ、心も硬く、興奮状態です。よって、ストレッチによって、硬くなった体を夜、寝る前に解す必要があります。関節や筋肉が緩むことで、血液の流れが循環し、酸素や栄養素が上手く循環します。そして、心の状態もリラックスし、副交感神経が優位となります。

では、そこで、なぜ、寝る前のストレッチが痩せると言われているのでしょうか?

上記で説明した通り、ストレッチをする事で副交感神経が優位になりますね。副交感神経が優位になる事で、入眠も早く、深い睡眠を導きます。深い睡眠は、筋肉のコリを軽減し、酸素が血流に沿って体内に行き渡りますので、老廃物の排出を促進していきます。

老廃物の排出を促進し、筋肉のコリを軽減する事で、基礎代謝も向上しますので、自然と体重は痩せていきます。痩せるというより、太りにくくなる、という言い方の方が適切かもしれません。寝ているだけで、急に痩せるという事はありませんが、筆者自身の経験から言わせて頂きますと、しっかりとストレッチをしてから睡眠を取ったほうが、翌朝、体重を測ると1kg前後は体重が減っていますね。

それでは、具体的にどのようなストレッチをしたら良いのか、以下の記事にストレッチを紹介しておりますので、ご覧ください。

肩凝りでお悩みの方必見 家で出来るストレッチ運動で解消 ストレッチ編

その他にもお勧めのストレッチとしては、背中を伸ばすストレッチ、太ももを伸ばすストレッチですね。体全体が伸びるので、目元も軽くなり、体全体に血液が巡り、リラックス出来ます。そこから、良質な睡眠へと導かれていきます。

◉ 背中を伸ばすストレッチ

やり方は色々ありますが、以下の方法は筆者も毎日2回やっており、お勧めですね。

  1. 壁から1m離れて向かい合わせに立つ
  2. 両手を上に上げて両手のひらを縦にして壁に付ける
  3. 背中を反る
  4. 10秒から60秒そのままの姿勢でキープ

肩甲骨までしっかり伸びるので、とても気持ちが良いですよ。

◉ 太ももを伸ばすストレッチ

体が硬い人はちょっと難しいストレッチです。

  1. 床に仰向けに横たわる
  2. 左脚は伸ばしたまま、右脚の膝を曲げて、右脚の太腿をストレッチ
  3. その状態のまま1分間キープ
  4. 脚を入れ替えて同じ事をする

横たわったまま、膝を曲げる姿勢は、最初のうち腰が浮いてしまうかもしれませんね。膝を曲げることが難しい方は、無理をしないでくださいね。

まとめ

なぜ寝る前のストレッチが痩せるのか、という事について解説してきましたが、痩せるというよりも、ストレッチをする事で良質な睡眠を促し、睡眠中に老廃物を流し、効率の良い体にすることによって、太りにくく、痩せやすくなるという事になります。体重管理もそうですが、体が硬い事が引き金となり、あらゆる病気を招く恐れもあります。健康の為にも是非、寝る前にストレッチをしてみましょう。