簡単だからこそ続けられる背筋ストレッチ

やらなくては!と思いつつもなかなか習慣化しない自宅でのストレッチ。特に背筋は背中なので、やりにくいと感じている方が多いのではないでしょうか?しかし、体を動かす機会が少ない現代では、できる限り他の体の部分も含めて、背筋ストレッチをする事が望ましいのです。そこで、継続可能な簡単な背筋ストレッチを紹介していきますね。

現代人の悩み 背筋の不足からくる健康問題

厚生労働省の勧告の一つに現代人の運動不足による健康弊害問題が取り上げられております。今では、昔と異なり、部活動で体を鍛えるという教育方針ではなくなった為、若年層の健康問題も深刻な状況です。

また、遊び方も、体を使って遊ぶのではなく、ゲームをしたりして自宅に籠る事が多いというのが子供の世代の現状でもあります。そして、社会人になれば、パソコン業務が主流ですので、一日中デスクに張り付いて過ごすという状況になっているのですね。

戦後世代の70代前後の方々の方が、20代の若者よりも筋力、体力があるなんていう事も言われているくらい、若い世代の間で、この筋力不足の問題は深刻な状態となっているのです。

特に、体の中でも大きく面積を取る背中の筋肉、「背筋」不足は、背中の凝りや首の凝りを引き起こします。それだけではなく、猫背となり、内臓を支える力が無くなるため、臓器が下腹部へと下り、臓器の機能低下を招きます。その結果、大きな病気を引き起こす事にもなり兼ねないのですね。

背筋の低下による体への影響について下記の記事を参考までにご覧ください。

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水泳選手の背筋

水泳は、水の力を使って全身運動をするので、全身の筋肉をバランスよく鍛える事が出来ると言われております。また、バランスよく筋肉が鍛えられる事からも肩こりや背中の凝りが無くなるとも言われているのですね。

水泳は、「浮力・密度・水圧」を利用しながら体を移動させるため、全身の筋肉をバランス良く鍛える事が出来るのです。また手の平を後方へ向けて水をかく動作では、腕や肩周りを鍛える事ができ、水の抵抗に逆らって進む推進力を作るキック動作ではお尻や脚を鍛えることが出来ます。

そして、姿勢保持・呼吸によって体幹も合わせて鍛える事が出来ることから、全身の筋力アップ効果がある訳なのです。

水泳選手の体つきを見ても一目瞭然ですよね!

特に背筋を鍛えるのに良い泳法は、背泳ぎと言われております。ストロークの腕を真っ直ぐ伸ばし、手の平で水をかくことによって、推進力を生み出します。背中から腕を動かす時に、広背筋・僧帽筋・上腕三頭筋などが使われて、ストリームライン(浮きやすく水の抵抗を出来るだけ減らした姿勢)を保持しながら泳ぐために、腹部のインナーマッスルも同時に鍛える事が出来るのですね。

その他の泳ぎで、背筋を鍛える事が出来るものに、平泳ぎ、バタフライなどが挙げられます。平泳ぎは、主に股関節、臀部、足の内側の筋肉を使いますが、上半身は肩関節の上部にある僧帽筋・三角筋が水の抵抗を受けやすいので、背筋を鍛えるのに適した泳法になります。

バタフライは、両手両足の動きを対称かつ、同時に行う難易度の高い泳法です。ストロークでは、肩〜背中の僧帽筋・三角筋・広背筋などが鍛えられます。また、キックでは股関節を持ち上げる腸腰筋が鍛えれるのですね。

以上の事からも分かるように、水泳は、きちんと泳法をマスターする事で、背筋を鍛える事が出来る運動の一つなのです。泳ぎのプロである水泳選手の体つきを見て分かるように、日常的にほぼ一日中、泳いでいる訳ですから、あれだけ立派な背筋が付くのですね。

水泳が肩こり解消に良いと言われている理由は、そこにあるのです。

陸での筋トレが苦手な方は、水泳も一つの選択として検討しても良いでしょう。最初は、水に使っているだけでも筋トレになります。そのうち、水中ウォーキング → 水泳 → 泳法など、徐々に負荷を掛けて変化させる事で、筋肉がしっかりと鍛えられていきますよ。

ヨガは背筋を鍛えるストレッチ

ヨガも、体へのアプローチ方法は、異なりますが、水泳と同様、あらゆる部分の筋肉を鍛える事が出来る運動の一種です。特に体幹を鍛える事が出来て、引き締まったボディラインを作る事がヨガの特徴です。

また、激しい運動ではないし、水泳と違って、家でも出来るものですので、可能であれば毎日出来るという継続性があります。深い呼吸をしながら、ゆっくりと体を動かす有酸素運動ですので、脂肪燃焼効果も合わせて期待できます。

ヨガには、様々なポーズがあり、そのポーズによって体へのアプローチが変わってきます。

背筋を鍛えるポーズを練習する事で、背筋力が付いてきます。代表的なポーズに、

  1. アルダ・ベカーサナ                        半分の蛙のポーズ
  2. エーカパーダラージャカポターサナ   片足の鳩の王のポーズ
  3. カポターサナ                                 鳩の王のポーズ
  4. シャラバーサナ                             バッタのポーズ

があげられます。

しかし、注意しなくてはならない事は、ヨガは普段使わない筋肉を、出来る限り全てを使うエキササイズなので、今まで全く何もしてこなかった方にとっては、急激に背筋に刺激を受けますので、痛みを伴う場合があります。一見、簡単そうに見えても、実際にやってみるとかなり難しいものもあるのですね。

初心者から中級者によく起こる事で、インストラクターやDVDの動画に合わせて、そのポーズを無理矢理実行しようとし、背筋が限界を超えて痛められてしまう事があるのですね。

また、頑張りすぎてしまい、関節に負荷を掛けすぎてしまう危険性があります。特に後屈をするポーズの時に背中を含めた身体全体で反らず、腰を基点に反ってしまうと、背筋はおろか腰まで痛めてしまいます。

筆者自身もDVDを見てヨガの練習をした事があります。筆者は、身体を使う事に慣れているエキスパートではありますが、ポーズによっては、身体を使う事に慣れていないと、危険を伴うと感じた事があります。ヨガをする事で、身体に柔軟性が付くという事も勿論、あるのですが、ポーズによっては、別のストレッチをして予め、身体に柔軟性を持たせる必要があります。

他のエキササイズに比べ、自宅で出来るものである為に、ヨガは手軽に簡単に取組やすいし、またしっかりと正確にする事で、きちんと背筋が付く事も事実ですが、取組む前に、以上の点についても頭に入れておく必要がありますね。

習慣化出来る簡単な背筋ストレッチ

では、実際に自宅で出来る簡単な背筋ストレッチを紹介しましょう。背筋を鍛えるものと、背筋の疲労回復を目的としたストレッチを紹介したいと思います。

◉ 背筋を鍛える筋トレ

● 壁を使った背筋反り

身体を使うエキスパートであれば、壁を使う必要はありません。しかし、身体を使う事に慣れていない方は、壁を使う事をお勧めします。

やり方について

  1. 壁に背を向け、1m離れる。
  2. 両手を挙げて、背中を反り、壁に両手を付ける。
  3. 10秒間、そのままの状態をキープ。

手が滑るなどの心配がある場合は、布団の上や何かクッションになる物の上でやると安心して出来ます。いきなり、思い切り、反るのではなく、少しずつ、深くしていく事です。体を慣らす事が大事ですね。

● 両手で足首を持つ背筋反り

ある程度、上記のやり方で背筋力が付き、後方へ反る事に対し、恐怖感がなくなったら、壁なしで反ります。

やり方について

  1. 正座の状態から膝を伸ばす
  2. 右手を後方へ回して、右足首を持つ
  3. 左手を後方へ回して、左足首を持つ
  4. 背中を反ったその状態を15秒間、キープ。

背筋の筋トレですが、効果は大きいです。しかし、最初、不安であれば、布団の上ですると良いでしょう。

◉ 背筋ストレッチ

背筋が付いてくると、背中の凝りは軽減されますが、身体の柔軟性は血行促進をしますので、ストレッチは必要になります。

● タオルを使う背筋ストレッチ

凝りやすい背中の箇所とは、肩甲骨辺りが多いですね。肩甲骨周りの硬さを緩和させるのに、長めのタオルを使用します。

やり方について

  1. 長めのタオルを用意します。タオルの両端を両手で持ち、上へ上げる。
  2. 肩甲骨を背中の中心に寄せながら、タオルを持った両手を背中を通過しながら下まで降ろす。
  3. また、そのタオルを持った両手を上へ上げる。
  4. この動作を10回繰り返す。

このストレッチは、しっかり肩甲骨を背中の中心に寄せる事が大事ですので、スピードを上げてするのではなく、肩甲骨が寄って入る事を意識しながらゆっくりとする事がポイントになります。

● 椅子の背筋ストレッチ

椅子に座りながらする簡単な背筋ストレッチです。

やり方について

  1. 椅子に座る
  2. 背中を真っ直ぐにしたまま、右へ反り、両手で背もたれを持つ
  3. 10秒間、そのままの状態をキープ。
  4. 今度は、左へ反り、同じ様に行う。
  5. この動作を10回繰り返す。

このストレッチは、湯船に浸かりながらも出来ます。湯船に浸かりながらする方が、血行も良くなっていますので、より効果が期待できます。湯船に浸かりながらする場合は、両脚を伸ばします。

● 壁を使った背筋ストレッチ

壁を使います。これも簡単に出来ます。

やり方について

  1. 頭、肩、踵を壁に付ける。
  2. 両手を上へ上げて、壁に這わす。
  3. 肩甲骨を壁に付ける。
  4. この状態を15秒間、キープ。

この背筋ストレッチは、背中全体の張りを緩和します。

背筋ストレッチについて、沢山やり方がありますが、上記のものは、筆者自身が日頃から取組んでいるものです。実際に効果を感じるものを紹介しております。注意点は、背筋の筋トレの場合は、無呼吸でも良いのですが、ストレッチは、鼻呼吸をしてくださいね。筋肉は、吐いた時に伸びる習性があります。無呼吸ですると、効果はありませんので、気をつけましょう。

まとめ

背筋は体の面積の中で大部分を占めております。不調を放っておくと、後で大変な事にもなり兼ねません。毎日は無理でも日頃から自宅で背筋ストレッチを心掛けておくと、健康で軽やかな日々を送れますよ。是非、出来ることから、簡単なものから取組んでみてくださいね。