フラダンスは、日本でも人気のダンスの一つ。子供からご年配の方まで幅広い年齢層で、踊る事が出来るダンスであり、ハワイが日本人に人気がある事から、フラダンスが人気があるのでしょう。ハワイは神の国であり,フラダンスの動きにはヒーリング効果があると云われております。そこで、フラ歴20年の筆者がフラダンスを習っていない方でも、聞いているだけで、最高に癒されるお勧めのゆっくりハワイアンソング5曲を紹介します。
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ハワイがこんなに愛される理由
常夏の島、ハワイ。現在はコロナ禍の為、行くことが出来ませんが、それまでは、著名人も含め、沢山の日本人がハワイ、特にオアフ島へ訪れておりました。数十年前と比べて、ハワイへの旅費もかなりリーズナブルな価格になっている事から、行きやすくなったこともありますね。
実は、筆者は、フラダンスを習う前までは、全くハワイには関心がありませんでした。子供の頃にバレエを習っていたこともあり、むしろヨーロッパに関心があったので、大学生の時に、イギリスへ短期留学をしていました。この当時の筆者の頭の中には、ハワイのハの字も全くなかったのです。
フラダンスを習うきっかけは、母が仕事でフラダンスの先生と知り合った事でした。元々は、母がその先生から誘われていたのですが、当時は母は多忙だったため、代わりに筆者と妹が見学に行くことになりました。
この見学が、筆者にとって運命的な出会いとなりました。先生やそこの生徒さん達の踊りに魅了されて、妹と共に入会することになったのですね。
その出会いから、ハワイやフラダンスの虜になったわけですが、ハワイがこんなに愛される理由がフラダンスを始めたことで分かりました。癒しのエネルギーが凄いのですよ!自然が広大で素晴らしいことは周知の事ですが、そこから発せられるエネルギーが優しくもあり、強烈でもあるのです。
実際に行かないと、この強大な癒しのエネルギーを感じることが出来ませんが、ハワイを愛する方々は、意識せずとも、無意識のうちに、このエネルギーをキャッチしているのでしょう。
ハワイは細かい島は除いて8島で成り立っております。各島にはそれぞれ特有のエネルギーを持っております。下記のブログに代表的な島のエネルギーについて触れておりますので、ご覧下さい。
ハワイが好きな方、ハワイに行ったことがある方は、嫌なことからの浄化、エネルギー補給、場合によっては、ハワイへ行ったことで、大きな転機を迎えたなど、何かを感じているようですね。
日本とハワイの深い歴史
日本とハワイが交流を持つようになったのは、明治時代からです。ハワイ王朝末期の王、カラカウア王がハワイと日本を強固な関係にする為に、天皇家に婚姻を持ちかけた事がキッカケです。結局、この婚姻は成立しませんでしたが、その代わりに、日本から労働力をハワイへ提供することが約束されました。
これにより、ハワイへの移民の歴史が始まります。今の日本とハワイの関係では考えられないほどの過酷な歴史が始まります。半ば騙された感じで、その当時の日本人は、夢を抱きながらハワイへ向かいます。しかし、そこで待っていたものは、過酷な労働でした。
数年前に、ハワイの移民の話をテーマにした映画の上映に合わせて、横浜で、ハワイの移民展が開催されておりました。真面目な気質の日本人は、この過酷な労働に耐え、農園などを築き上げていくのですが、この方達の努力があって今のハワイの産業が成り立っていると言っても過言ではないでしょう。
こうして日本人の血を引いた日系ハワイ人が増えてきました。今のハワイアンの方は、純粋な日本人ではなくても、祖父や祖母が日本人という方も多く、ロコに見えても、どこかの世代に日本人の血を引く人が多いですね。
ハワイ島のヒロという場所で、年に1度、大きなフラダンスのコンペティションがあります。フラダンサーの中には、日本人の血を引く方が多く見られ、且つ、ソロ部門の優勝者には、日本人の血を引くダンサーがここ20数年、増えてきております。
それだけ、私達が思っている以上に、その当時、ハワイへ移住した方が多かったことの証なのでしょう。また、日本人は、体が柔らかい上に、集団ですることは得意。フラダンスは、ソロ部門もありますが、基本は、グループで踊りますので、その点でも、日本人にとってフラダンスは向いていると言えるのでしょうね。
そして、両国とも島国であり、万物には全て神が宿っているという信仰を持っている点においても、日本とハワイが惹き合う理由かもしれません。
一説には、奈良時代にある女性達が乗っていた船が難破し、ハワイまで辿り着き、そこで、その女性達の1人がハワイで女酋長になったという伝説があります。真実かどうかは分かりませんが、明治時代の移民政策からハワイとの関係が始まったことは確かな事であります。
フラダンスの踊りの起源
フラダンスとは、日本での通称。本来は、「フラ」。フラの意味自体が、ダンスです。よって、フラダンスだと、ダンスダンスという意味になり、不自然なのですが、日本ではこの名称で通ってしまっております。
他のブログでもフラについて触れておりますが、フラは、元々、神に捧げる神聖な踊りです。ハワイには、ハワイ島のキラウエアに鎮座している女神ペレを筆頭に沢山の神がいらっしゃいます。
フラの発祥については、諸説ありますが、最も有名な起源が女神ペレの末妹ヒイアカとポーポエの神話です。ポーポエとヒイアカは共に遊ぶようになり、ポーポエがヒイアカにフラを教えるようになったということから、ヒイアカがフラの女神とハワイでは崇められております。
フラを教えたのは、ポーポエなので、フラの女神は、ポーポエでは?と思ってしまいますが、それについては、残念ながら筆者も分かりません。その点については、別のブログで紹介したいと思います。
よって、フラは、現代で踊られている、「アウアナ」という柔らかい踊りのスタイルではなく、「カヒコ」と称されている踊りのスタイルが、元々の姿です。力強く、エネルギッシュであり、男性しか踊られていなかったと云われております。神へ捧げる踊りなので、振付を間違えると、処刑されるといった厳格なところもあったようです。
ステップの起源については、フラは自然現象を表現していることから、椰子の木が揺れている様を模倣して形成されていったという説、そして、闘いのスタイルを踊りに託していったという説などがあります。沖縄空手の型が、他の流派の人に分からない様に、琉球踊りの振付に託したという話を聞いた事がありますが、その様なことに近いのかもしれませんね。
ハワイアンソングの生い立ち
ハワイアンソングと言えば、ウクレレ、スチールギター、ゆっくり、ゆったりなど、そんなイメージがあると思います。ハワイという土地柄から生まれた曲であることから、癒しのイメージも併せてあると思います。
前章で、述べましたが、元々は、フラダンスの起源は、神に捧げるものだったので、曲というよりは、オリといって、日本で例えれば、祝詞のようなものを詠唱しながら、パフドラムや、イプヘケといった瓢箪の楽器でリズムをつけるというものでした。
18世紀末にキャプテンクックがハワイ諸島を発見した事を契機に、次々に欧米諸国の人々が、ハワイへ移住するようになりました。人の移住と共に欧米の文化、芸術もハワイへ持ち込まれてくるようになります。
そこで誕生したのが、ウクレレです。ポルトガルのギターが変遷を経て、ウクレレが誕生しました。欧米の音楽が融合し、独自のハワイアンの曲が次々に作られるようになっていきました。また、ハワイ語の曲だけではなく、「ハパハオレ」と呼ばれる英語とハワイアンがミックスされた曲も作られるようになっていきました。
欧米の文化がハワイへ持ち込まれて、ハワイアンソングが誕生しました。今でこそ、ハワイアンソングは、ハワイ独自の曲でありますが、元々は欧米の文化と融合して築き上げられたものです。
当初は、スチールギターやウクレレが主流でしたが、次第に多様な楽器で演奏されるようになってきました。ピアノ、ベース、ギターなど現代の楽器で演奏される他、フラダンスの為の曲ばかりではなく、ミュージシャンが、独自の曲を作るようになってきております。
ゆっくり癒しのハワイアンソング お勧めの曲5選
ハワイアンソングには、フラダンスを踊る為の曲、そして音楽として聴く為の曲に、最近では分かれてきております。メレフラと呼ばれるものが、フラダンスの為の曲です。よって、リズムが取り易い構成になってます。
今回は、フラダンス初心者の方にまずお勧めの曲を5選、そしてフラダンスを習っているわけではないけど、ハワイアンソングが好きな方にお勧めの曲を5選、紹介します。
◉ フラダンス初心者にお勧めの曲5選
① カイマナヒラ
フラダンスを習っている人には、先ず必須の曲。ハワイの玄関であるオアフ島のご当地ソングで、観光名所である場所を讃えております。ダイヤモンドヘッド、ワイキキビーチ、カピオラニ公園といったオアフ島の有名な土地について歌っており、軽やかなリズムの曲です。
② カウルヴェヒオケカイ
こちらの曲も、定番のナンバー。昔のハワイアンの仕事の一つに海藻採りがありました。その労働は、厳しい日差しの元で行われて、大変である事を謳っております。だからといって、決して暗く、重たい曲想ではなく、むしろ軽快なアップテンポなリズムの曲です。
③ パパリナラヒラヒ
若い人の恋の駆引をテーマにしたラブソング。若々しく軽快なテンポの曲です。頭の天辺からつま先まで私の姿を見てというフレーズがあるように、男性の気を引こうとしている場面がありますので、一見、子供が踊っても良さそうな感じがしますが、この曲は、20代以降の大人でなくてはなりません。
④ ヘネヘネコウアカ
1920年代のハワイのカメハメハスクールに通うティーンネイジャーの恋の歌。この当時、公共の場で恋人同士がキスをしたり、抱擁したりすることは、恥ずかしい事でした。そんな風潮の中で、学校の帰りのバスの中で、若い恋人同士が恥じらいを感じながらイチャつく様を謳った曲です。
⑤ 月の夜は
こちらは、「sophisticated hula」という英語の曲の日本語ヴァージョンです。この曲は、日本での第一次ハワイアンブームの時に流行った曲です。バッキー白方さんなどハワイアンシンガーが活躍していた頃のもので、当時、同じくハワイアンシンガーである日野てるこさんがこの曲を歌い、一世風靡しました。
演歌調で、現代のハワイアンソングとはそぐいませんが、時代を感じさせる、そして日本語訳で歌われているこの曲は、フラダンスを習う上で知っておくべきでしょう。
◉ ハワイアンソングが好きな方にお勧めの曲5選
ハワイには、素晴らしいアーティストが沢山おります。沢山いるので、紹介に困るのですが、ここでは一般的にも知られており、聴きやすい曲を紹介します。
① カノホナピリカイ アーティスト:ケアリ・レイシェル
この曲は、クムフラでもあるケアリ・レイシェルが、沖縄の曲「ナラソウソウ」を聴いて感銘を受け、ハワイアンソングにリメイクした曲です。メロディラインは、一緒ですけど、ハワイ語で歌われたこの曲は、原曲とは異なった雰囲気を感じます。
② カピリナ アーティスト: ウエルダム
この曲は、フラダンスでも踊られている曲。しかし、聴いているだけでも素敵な曲です。他のハワイアンソングでもそうなのですが、この曲はハワイの神話をベースに作られたものです。
絶世の美女といわれたラーイエイカヴァイとカウアイ島のチーフであるカウアカヒアリイとの恋の物語で、ハワイの鳥達の鳴き声を合図として会う約束をするという、とてもロマンチックな曲です。誰でもが恋のロマンスがあると思います。過去の恋でも現在の恋でも、その思いに馳せて聴くと内側から情熱を感じますよ。
③ プアリリレフア アーティスト:ウルヴェヒグエレロ
フラダンスでもよく踊られる定番の曲ですが、ミュージックとして聴くのもお勧めです。作曲者のカハウアヌレイクとその妻であるハワイで最も沢山のクムフラを世に出した偉大なクムフラ・アンティ・マイキの愛の歌。ミュージシャンであるレイクが、妻マイキに結婚する前に捧げたと言われております。再婚同士の2人には各々子供がいて、家族合わせて8人の絆は、しっかりと編み込まれて解ける事は決してないと、家族の固い絆を謳っていて、とても感動的な曲です。
④ カピリオハ アーティスト:ヒイイクア
オアフ島を背景に、ハワイで咲いている花に託して、友情の絆を謳っている曲。ピリというハワイ語の意味は、ピッタリとくっつく、固く結ばれているというです。ハワイアンソングには、pili 、ピリという言葉がよく含まれております。家族、友人の絆をとても大切にしている、ハワイの人の心が歌に託されているのでしょう。この曲は筆者の十八番でもあります。
⑤ アロハオエ
この曲は、ハワイ王朝最後の王であるリリウオカラニ女王が作曲したもの。政権がアメリカ人に乗っ取られ、オアフ島にあるイオラニ宮殿に幽閉されていた時に、ハワイの人へ託した曲です。哀愁を帯びた物悲しさを感じる曲ですが、ハワイ人の土地への愛、敬意、そして女王の国民への愛を感じる名曲です。
以上、筆者がお勧めのハワイアンソングです。ハワイソングは1000曲以上ありますので、素敵な曲はもっとありますが、初めて触れる方には聴きやすい曲を選びました。フラダンス初心者の方は、上記の曲を先ず習得する事ですね。基本の曲ですから。
まとめ
スチールギター、ウクレレのイメージが強いハワイソング。時代の流れと共に、使用する楽器も変わり、どんどん洗練されてきております。しかし、昔ながらのハワイアンソングがあってこそ。古き良き時代のハワイアンソングを先ず知った上で、現代の洗練されたハワイの曲に触れていくと良いでしょう。素敵なハワイアンソングは沢山あります。少しでも皆さんにきい