元々、人は生まれ持った体質というものがあります。疲れやすい、太りやすい、その反対で太りにくい、高血圧、低血圧など、人それぞれ先天的な体質があるのですね。だからと言って、諦めてはなりません。体質を改善する事により、永続的に健康的な生活を送る事が出来ます。そこで、いくつかある体質改善方法の中で、食事による体質改善プラン、そしてお勧め献立メニューを紹介していきますね。
体質とは?体質の分類
体質と言っても、広範囲に渡っており、何を持って体質改善なのか、という疑問が出てきますね。まずは、体質の定義について説明しますと、
個人が先天的に持っている、もっと分かりやすく言うと、「生まれつき」の機能の身体的な反応傾向の事を指します。遺伝と環境の相互作用によって作られるものとされております。
個人の体質は、健康にも大きな影響を与えます。例えば、「いつも気だるい、疲れが取れない」、「年中睡眠不足」、「1年中風邪を引いている」などがそれに当たります。
具体的に挙げると、
- ニキビ、シミ
- 冷え性、便秘、不眠、物忘れ
- 疲れやすい、風邪を引きやすい
- 涙もろい、驚きやすい、落ち込みやすい
- メタボ、顔がほてる、浮腫み、
- アレルギー、ドライアイ
などです。
健康でいるためには、自分がどの体質であるかを知っておく事が重要です。中国では、2009年に政府公認の中国体質学に基づいた体質九分類という体質の分類表があります。「未病体質研究会」が国民の健康向上を目的として導入したものなのですね。
【体質九分類について】
- 平和質 心身共にバランスが取れた理想的な健康タイプ
- 気虚質 身体機能が低下し、気が虚(不足)した風邪引きタイプ
- 陽虚質 身体機能が低下し、気が虚(不足)して、冷えやすく、寒さに弱い冷え性タイプ
- 陰虚質 口や喉が渇く、のぼせる、イライラしやすい水不足タイプ
- 痰湿質 代謝産物がたまりやすいメタボタイプ
- 湿熱質 体内に水分や熱がこもりやすいニキビタイプ
- 血瘀質 血の流れが悪く、シミが出来やすいシミタイプ
- 気鬱質 気分が沈みがちな鬱々タイプ
- 特禀質 環境要素など外部刺激に反応しやすい過敏タイプ
以上、9つの分類があるのですね。
こうした体質を改善する方法として「五大養生法」というものがあります。
- 飲食の養生
- メンタル養生
- ライフスタイルの更生
- 運動による養生
- ツボのセルフケア
体質ごとに、上記の養生法を取り組み改善していく方法なのですね。
その他に体質分類する方法として、インドのアユールヴェーダという予防医学の中に体質分類があります。アユールヴェーダは、ユナニ医学(ギリシャ・アラビア医学)、中国医学と共に世界三大医学の1つとされております。
参考までにその分類とは、私達の身体を構成するエネルギーをドーシャと言って、以下の3つに分類されます。
- ヴァータ (風)
- ピッタ (火)
- カパ (水)
この3つのバランスが取れている状態が取れている事がベストなのですが、その中で、それぞれの特徴を多く持っているものが、その人のドーシャ、体質になります。その体質によってそれぞれ体質改善方法があるのです。
以上、一言で体質とは言っても、各国での分類方法は様々です。何れにしても、どの方法でもまずは自分の体質を知るという事が大切ですね。上記のような有名な体質診断は、簡易なものであれば、インターネットでも診断出来ますので、自分の体質がどのようなタイプかを調べてみると良いでしょう。
健康の基準
健康の基準に参考となるものは、全国健康保険協会が健診などで定めている基準値があります。これは、健康な人々の検査データーを統計学的に算出したものです。20〜60歳くらいまでの健康な人の検査成績を基に、上限と下限の2.5%ずつを除外したもので、残りの95%の人の数値が基準範囲とされております。
検査後に検査項目ごとに受信者数値と基準値を照らし合わせて、「異常なし」「異常あり」などの判定をします。
健診をしない会社もありますが、ある程度の企業に勤めていれば、健康診断を受ける事が出来ますので、健診結果を見て、現在の自分の身体の状況がある程度分かります。
国民保険の方は、在住市の指定機関で保険範囲内で健診を受ける事が出来ます。
前項で紹介した体質診断方法は、精神面も含めた分類法です。実際に具体的な数値が算出されるわけではありません。体質を知る上で、バロメーターになりますが、西洋医学的な側面から見て、「健康」であるかを知る事も非常に重要な事です。
西洋医学を嫌い、自然療法のみを優先して、東洋医学だけを信頼するというのは、非常に危険です。数値が全てではない事もありますが、データーに基づいた数値で自分の身体を知る事は、見えない病気を発見する事にも繋がりますからね。
東洋医学的な側面だけ、西洋医学的側面だけ、というような偏った診断ではなく、両方の医学的側面から自分の身体を知る事がバランスの取れた健康管理であると筆者は考えております。是非、お勧めしたいと思っております。
食事による体質改善プラン
体質改善には、上記で紹介しました中国の五大養生法にあるように、1つではなく、様々な側面からアプローチしていく必要があります。総合的に改善して、健康体質を目指していくって感じですね。
今回は、その中の1つである食事による体質改善プランについて紹介していきましょう。
食事による体質改善プランとは言っても、どのような体質にアプローチするものかで変わってきます。
例えば、
- メタボ対策・ダイエット
- ニキビ対策
- 高血圧対策
- 冷え性対策
などですね。
この項では、女性に多い冷え性に焦点を当てて、どのような食べ物が冷え性改善になるかを紹介します。
女性の冷え性の根本の体質改善には、当たり前の事ですが、身体を温める事が必要です。身体の深部を温めるには、身体の中に取り込む食材も大きく関わってきます。
【身体を温める食べ物】
- 肉・魚・乳製品 → 鶏肉、ラム肉、豚のレバー、イワシ、カツオ、海老、穴子、鰻、チーズ
- 果物・野菜 → カブ、蓮根、ごぼう、白菜、ネギ、シソ、カボチャ、ニンニク、ピーマン、桃、サクランボ、ザクロ、プルーン
- 穀類・豆類 → もち米、玄米、クルミ、栗、銀杏
- お茶類・酒類 → 紅茶、ウーロン茶、プーアル茶、ジャスミン茶、日本酒
- 調味料 → コショウ、味噌、山椒、ワサビ、シナモン、大豆油
参考までに、
【身体を冷やす食べ物】
- 肉・魚・乳製品 → 鴨肉、馬肉、アサリ、スッポン、ハマグリ、カニ、ウニ
- 果物・野菜 → キュウリ、トマト、ホウレンソウ、ナス、シメジ、スイカ、バナナ、柿、梨、ミカン、パイナップル
- 穀類・豆類 → 蕎麦、コンニャク、豆腐、大麦、枝豆、緑豆、ひえ、あわ
- お茶類・酒類 → コーヒー、緑茶、ビール、ワイン
- 調味料 → 白砂糖、昆布、ワカメ、海苔、ミント、食塩、菜種油、ごま油
【どちらにも属さない食べ物】
- 肉・魚・乳製品 → 牛肉、牛のレバー、鮭、アジ、サバ、イカ、牡蠣、スズキ、ヒラメ、アワビ、牛乳、卵、豆乳
- 果物・野菜 → 春菊、玉ねぎ、人参、山芋、サツマイモ、ブロコッリー、キャベツ、リンゴ、ブドウ、イチゴ、レモン
- 穀類・豆類 → トウモロコシ、大豆、黒豆、小豆、ピーナッツ、うるち米、キビ
- お茶類・酒類 → ハトムギ、柿の葉茶
- 調味料 → 黒砂糖、はちみつ
上記の分類を1つの参考として、献立メニューを作っていくと良いでしょう。
それでは、次項で、冷え性体質改善の為の献立メニューを紹介していきます。
お勧め献立メニュー
特に女性に多い冷え性。冷え性は、放置すると大変なことになります。体温が下がると免疫力が低下し、代謝も悪くなります。そこから、様々な症状や病気にかかりやすくなりますので、注意が必要です。最悪、ガンになるケースもあるのですね。体内では、陽性と陰性のガン細胞が作られております。冷え性を放置しておくと免疫力が落ちますので、陰性のガン細胞が増殖するのです。
だから、冷え性は侮れませんよ。
では、参考までに冷え性体質改善の献立メニューを紹介します。
【献立メニューのポイント】
冬野菜をふんだんに使い、ボリューム満点の主菜を取り入れております。サラダやデザートも温かいものであり、身体がほっこり温まる献立メニューになっております。
- 手羽先とサツマイモのあんかけ煮・・・酢醤油ベースのタレをあんかけにすることで料理の温かさが持続され、手羽先も柔らかく仕上がる。厚揚げを加えると更に栄養価とボリュームがアップ。
- レバーと生姜の炊き込みご飯・・・ピリッとした辛さの七味唐辛子でレバーが美味しくなる。レバーの焼き鳥を最後に混ぜ込むことで肉質のパサつきがなくなる。
- エビと蓮根のホットサラダ
- カボチャの味噌汁
- リンゴと黒豆のシロップ煮・・・はちみつとレモン汁を加えて弱火で煮るだけの簡単デザート。
その他にも色々な方が冷え性体質改善のための献立メニュー及び作り方を提供しておりますので、参考までに閲覧すると良いでしょう。
あと、冷え性の体質改善の献立について、一番大切な事は「朝食」のメニューです。朝食は冷えない身体作りにとって欠かせません。
最後に冷え性体質改善に良い朝食を「和食」「洋食」と共に紹介します。
【和食】
- 主食・・・玄米ご飯 → ミネラル 梅干し・漬物・・・スパイス
- おかず・・たまご、鮭、アジ、納豆 → 発酵食品、タンパク質
- 味噌汁・・味噌、根菜、ネギ → 陽食べ物
【洋食】
- 主食・・・全粒粉パン → ビタミン
- おかず・・チーズ入りスクランブルエッグ、ハムエッグ、ベーコン → タンパク質
- スープ・・ニンジンやタマネギのスープ → 根菜、スパイス
※パンは食パンではなく、全粒粉や麦パンなどの「色がついたパン」を選ぶようにしましょう。
まとめ
どのような方でも先天的に、または環境からの影響で何かしらの改善をしなくてはならない体質というものがあります。現時点で問題がないからといって放置しておくと、健康を害することにもなり兼ねません。今からでも自分の体質と向き合い、体質改善に向けて、食事の献立メニューから生活スタイルまで見直す事をお勧めします。