女性も気をつけるべし 体臭は大敵 食事による体質改善方法とは

体臭。この問題は、周囲を不快にし、人間関係まで悪影響を及ぼしかねません。「香り」は、良いものであれば、精神的にリラックス効果をもたらし、悪いものであれば、精神的に不快感をもたらします。人とのコミュニケーションに香りは非常に重要な要因となります。フラ教室を運営している者として、体臭は無視できない、気をつけなくてはならない問題なのですね。体臭の体質改善方法の1つに、食事療法があります。今回の記事では、体臭を改善する食材や食事方法について紹介していきますね。

体臭の種類

体臭と言っても、発生する部位や原因は様々あります。大きく分類すると、「汗や皮脂から発生するもの」と、「それ以外の要因で発生するもの」になります。

「汗や皮脂から発生するもの」は、汗や皮脂が、皮膚常在菌により分解され、酸化する事で体臭が発生します。代表的なものに、

  1. 汗臭(ワキガ)
  2. ミドル脂臭
  3. 足臭

の3種類があります。

「それ以外の要因で発生するもの」には、加齢に伴う身体の中の酸化、疲労やストレス、病気などが原因になります。主に

  1. 加齢臭
  2. 口臭
  3. 疲労臭
  4. ストレス臭
  5. ダイエット臭
  6. 便秘臭
  7. 生活習慣による体臭
  8. 病気による体臭

の8種類があります。

体臭には、以上合計11種類あり、発生する部位、原因が異なりますので、それぞれ対策も異なってきます。その中でも3大体臭と言われているものが、「汗臭」「ミドル脂臭」「加齢臭」にあたります。

それでは、3大体臭も踏まえ、体臭のメカニズムを解説していきますね。

体臭のメカニズムと臭いを感じる仕組み

臭いの元となるのは主に身体から分泌される汗と皮脂、そして皮膚上の常在細菌です。皮膚には、2種類の汗(エクリン汗・アポクリン汗)と2種類の皮脂(皮脂線から出る皮脂・角質層の中にある脂質)があります。これらが、臭いの材料となります。

汗や皮脂は分泌された直後は臭わず、時間の経過と共に汗が皮脂と混じり合い、更にその汗と皮脂を細菌が代謝、分解することによって、また空気中の酸素による酸化によって臭い物資が発生します。

前項でも触れましたが、身体から発生する臭いは、大きく「汗臭(ワキ臭)」「ミドル臭」「加齢臭」の3種類に分類されます。これらの臭いは、年代によって強さのピークが異なります。

  • 汗臭・・・・10代〜30代半ば。若い頃は、新陳代謝が活発で、よく汗をかくため主にワキから発生する汗臭(ワキ臭)がメイン。
  • ミドル脂臭・・30代半ば〜50代半ば。後頭部から発生するミドル脂臭がメイン。まだワキ臭も要注意。
  • 加齢臭・・・50代半ば〜。胸や背中から発生する加齢臭がメイン。汗臭やミドル脂臭は減っていく。

年代と共に発生する体臭の種類は異なるのですね。自分の年代と照らし合わせて、尚且つ自分の体質も踏まえ、改めて自分の体臭について見直す事も大切です。

では、各体臭の発生メカニズムについて見てみましょう。

【汗臭】

  1. エクリン汗腺から汗が分泌される。エクリン汗腺は、全身に分布している
  2. アポクリン汗腺から汗が分泌される。アポクリン汗腺は、ワキや乳輪など身体のごく一部に分布している。
  3. 皮脂線から皮脂が分泌され、汗と混じり合う。汗や皮脂には匂いはない。
  4. 皮膚にいる常在細菌が、汗や皮脂をエサとして代謝・分解して増殖する。代謝・分解した後の排出物が臭いとなる。

【ミドル脂臭】

  1. 皮脂線から皮脂が分泌される。
  2. 常在細菌が、皮脂をエサとして代謝・分解し、中鎖脂肪酸を排出する。これは、「頭皮の匂い」で臭いは弱く不快ではない。
  3. 一方で、エクリン汗腺から汗が分泌される。
  4. 常在細菌の1つであるブドウ球菌が、汗の中の乳酸をエサとして代謝・分解し増殖する。代謝・分解した後「ジアセチル」という不快な臭い成分を排出する。
  5. 使い古した油のような臭いの「ジアセチル」は、中鎖脂肪酸と混ざることで一層悪化し、「ミドル脂臭」に変化。このミドル脂臭は、皮脂に蓄積される。

【加齢臭】

  1. 皮脂線から皮脂が分泌される。年齢重ねるごとに皮脂に含まれる脂肪酸「バルミトレイン酸」が増加する。
  2. 空気中の酸素により皮脂が酸化される。
  3. バルミトレイン酸も酸化され、2ーノネナールという成分に変化する。これが、加齢臭の臭いの成分である。

各年代で、体臭が発生する部位は勿論のこと、発生メカニズムも異なります。体臭を対処、また体質改善するにあたり、発生するメカニズムも知っておくと、改善がより円滑に進む事に繋がりますね。

では、次に人がこのように臭いを感じる仕組みについて解説しましょう。

《臭いを感じる仕組み》

  1. 鼻からニオイ物質が入る。ニオイ物質は、鼻腔最上部の嗅上皮と呼ばれる特別な粘膜に溶け込み、感知する。
  2. 嗅上皮にある嗅細胞が電気信号を発生、電気信号が嗅神経、嗅球、脳の大脳辺縁系へと伝達。
  3. ニオイ管区が起きる。

人は、約400種類の嗅覚受容体を持つと言われております。その組合せは、無限にあり、そのための数十万種類あると言われているニオイ物質を嗅ぎ分ける事が出来るのです。

体臭がもたらすコミュニケーションへの影響

体臭は、間違えると人間関係にヒビを入れる事もあります。筆者は、ダンス教室を運営している関係上、ニオイには、とても敏感です。女性が対象ですので、踊りの練習をして、汗を掻き、その後、スタジオが体臭に侵されることはほとんどありません。

しかし、女性でも男性ホルモンが体質的に多い方がいると、レッスン中にその臭いを感じることは、多少あるのですね。女性でもワキガの方もおりますしね。また、女性でも、あまり自分自身の身体に無頓着であったり、衛生管理に疎かったり(部屋の掃除が嫌い、不潔であったり、衣類の管理が苦手)すると、体臭と混じって不快なニオイを発生することもあるのです。

株式会社マンダムでは、デオドラント製品の開発のため、ニオイに関する意識調査を実施しております。その調査結果では、

『職場の身だしなみで「どうにかしてほしいこと」1位は、体臭』

でした。

具体的には、

  1. クールビズシーズンで気になる事が「汗を掻くこと」が1位であり、次いで、「臭い」が2位で58.8%。
  2. 体臭が気になって仕事に集中出来ないが、58.9%。
  3. 体臭による仕事への支障、気分が悪くなった、集中できない、クレームが入った。
  4. 体臭を感じる人とは一緒に仕事をしたくないが、42.1%。

という結果が出ております。また、4人に1人にあたる25.2%もの人が、体臭が原因で交友関係が疎遠になったことがある、という結果も出ているのですね。

人間関係の構築において、体臭は、大きな阻害要因であり、人間関係を破壊します。

だからこそ、体臭の体質改善は、男女問わず、あらゆるコミュニティで円滑にコミュニケーションを図るためにも必須であると言えます。

体臭の体質改善をする食材と食事

体臭には、年代によって発生する部位の違いから臭いの種類が異なることが分かりました。それ以外にも不快な体臭を出す要因に、食生活があります。

不快な体臭を出す人が好む食材は、肉類、揚げ物、ケーキなど動物性脂肪を多く含むものが多く、偏った食生活をしております。肉類などの動物性のタンパク質や脂質の摂りすぎが不快な体臭を出す原因になるのですね。

肉は、消化・分解に時間が掛かる食材であり、腸内に留まる時間が長いため、腸内での発酵や腐敗が進みます。するとアンモニアや硫化水素などの臭いの強い物質を作り出します。これらのニオイ物質は血流にのって体内を巡り、汗や皮脂と一緒に排出するので不快な体臭が出やすくなるのです。

肉類ばかりを摂り、野菜などの繊維質の高い食物繊維を採らないことも体臭の原因になります。

体臭を予防するには、酸化の元になる活性酸素を抑制することですので、「抗酸化物質」を摂る事が有効になります。抗酸化物質は、野菜や果物などのアルカリ性食品に多く含まれております。普段の食事に、野菜や果物をバランスよく摂りいれる事が、活性酸素を抑制し、脂質の酸化を防ぎます。

  • 酸性食品・・・・・肉類、魚類、卵、砂糖など
  • アルカリ性食品・・野菜、果物、海藻、きのこ、大豆など

そして、体臭の体質改善をするのにお勧めの食事は、「和食」です。

食事に関して言えば、体臭の一番の原因は、食物繊維の摂取量に関連します。食物繊維は、悪臭成分を体外へ排出する働きがあるので、積極的に摂りいれるべきなのですが、現代人の食生活は欧米化してしまったことから、摂取量が減ってきてしまっているのですね。

元々、和食中心であった日本人は体臭が少ない体質だったのですが、欧米化してきた食生活にために変わってきました。

和食は、食物繊維を多く含む緑黄色野菜などの食材が多く使われます。また、野菜は火を通した方が、少ない量で効率的に食物繊維を摂取する事が出来ます。よって、ひじき、切干し大根の煮物、きんぴらごぼうなどの和食は効率的に食物繊維が摂取出来るのですね。

では、次に身近に出来る食事方法の改善ポイントを紹介しましょう。

◉ 野菜を最初に食べる

野菜を最初に食べる事で、血糖値の上昇を抑え、余分な脂肪の吸収を抑えます。野菜をよく噛むことで、満腹感を得られますので、肉類や魚類などのタンパク質や、パン、白米などの炭水化物の摂取量を減らす事ができ、余分な脂肪の摂取を防ぎます。この食事方法は、外食が多い人にも向いてますので、お勧めです。

◉ 肉類にプラスワン食材3選

肉類を食べる時には、野菜も一緒に摂りましょう。特にキャベツとキュウリはお勧めです。ビタミンUを含むキャベツは、胃腸の粘膜を守り、満腹感を増す働きがあります。キュウリは、ホスホリパーゼという酵素を含み、脂肪を分解します。

・ステーキ + サラダ

・焼肉 + ワカメスープ

ワカメやモズク、メカブなどの海藻に含まれるヨウ素が体内の余分な脂肪を分解してくれます。

・ハンバーガー + ウーロン茶もしくはジャスミン茶

脂肪の吸収を防ぐポリフェノールを含んだウーロン茶、または脂肪燃焼を促進するジャスミン茶を一緒に摂ると良いです。

その他に、便秘によって体臭を放つ事もあります。腸内に不要物が溜まってしまうと、悪臭のガスが放出されて血液中に入り、汗と一緒に体外へ放出されるのですね。便秘解消には野菜などの食物繊維を摂る他にオリゴ糖を摂る事で、腸内も善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすので、腸内環境を整える食品も摂る事をお勧めします。朝食にヨーグルトを食べたり、飲んだりすると良いでしょう。

まとめ

体臭は、人間関係をも壊しかねない問題です。年代によって体臭の種類は変わりますが、食事により、体臭の体質改善をする事が可能です。コミュニケーションにおいてのエチケットでもありますので、体臭には敏感に対応していくべきですね。また、体臭=不健康である可能性もあります。健康な生活を送るためにも、食生活から見直していきましょう。