フラで楽しく脂肪燃焼 運動効果絶大な有意義な時間

脂肪燃焼効果のある有酸素運動は、ウォーキングを始め、ランニング、水泳などがありますね。取組みやすいということからも人気があります。一方、室内でも出来る有酸素運動として、ダンスも最近、人気があります。入りやすいという事から、ヒップホップが流行ってますが、年配者の中でも普遍的な人気を誇るフラも、実は、脂肪燃焼効果絶大なのですよ。では、脂肪燃焼のメカニズムの解説を織り交ぜながら、フラをどれだけの時間、どれだけ動けば、脂肪燃焼に効果をもたらすのか、解説していきましょう。

現代社会の健康問題と脂肪燃焼の関わり

戦後、日本では医療が発展し、社会全体が経済的にも豊かになってきたことから平均寿命が延びてきました。しかし、ここ近年、生活スタイルの変化から身体を動かす機会が減ってきたことにより、若い世代でも健康に弊害が出ております。

私は、フラ教室を運営をしておりますので、若い世代の方と接する機会が沢山あります。いつも感じることが、若い世代の方ほど、体力がなく、筋力もありません。そして、姿勢がとても悪いことです。かえって、40代後半以降の世代の方が、体力、気力もあり、ある程度の筋力があるのですね。

身体を作っていかなくてはならない大切な時期である学生時代に、学校の教育方針が変わったことで、部活動などに参加する機会が少なくなった事や、外で遊ぶ機会が少なくなった事などが影響しているのでしょう。

実際に若い生徒達に学生時代の話を聞くと、その様な返答がかえってくるのですね。そして、社会人になれば、パソコン業務が主体の仕事のスタイルですので、益々、身体を動かす機会なんて、自ら作らないとほとんどない状況なのですね。

さらに、最近の幼稚園では、3歳児で医療指導が入るそうです。どういう事かと言いますと、3歳児で背を真っ直ぐにして椅子に座る事が出来ない状態であり、3歳児なりの筋力が不足しているという深刻な状態になっているという事なのです。これは、実際に現場に出ている幼稚園の先生をしている方からのお話です。

目覚ましいほどの医療が発達したお陰で寿命は延びました。しかし、現実は、医療の力で寿命は延びましたが、寝たきりであったり、寝たきりまでいかなくても歩行が出来ないという方は実際多いのですね。デイホームに慰問活動もしておりますので、現場をとても実感しております。

今の高齢者の方は、戦前・戦後の厳しい社会を生き抜いてきた世代の方がほとんどです。その様な方でも加齢と共に身体は衰えます。まして、全然身体を動かす事をしてこなかった世代の方が、歳を取った時には一体どの様な事になってしまうのでしょうか?

歳を取っても自分の脚で歩き、自分の身の回りの事は自分で出来き、アクティブに過ごす事が出来る様になるには、医療の力だけでは限界があります。薬では、筋力は付きません。サプリで筋力を付ける事は出来ません。あくまでも補助的役割でしかないのですね。

そして、運動不足は、体重増加、メタボになりやすくなります。脂肪燃焼が体内で効率良くされないと脂肪がうまく分解されないので、体内に脂肪が残ってしまうのですね。別の記事で脂肪燃焼のメカニズムについて解説しておりますが、その脂肪が内臓に纏わりつくと、色々な病気を引き起こす事になるのです。

健康管理の為にも、知識として脂肪燃焼のメカニズムと脂肪が引き起こす病気について知っておくと良いと思いますので、参考までに以下の記事をご覧ください。

誰でも簡単に出来る 脂肪燃焼に効果的な運動メニューを実践

また、脂肪燃焼をより効果的に、そして痩せやすい、太りにくい身体にするには、筋力を付ける事が一番です。筋力は基礎代謝を上げますので、効率良く、脂肪燃焼をさせていきます。血液の流れも良くしていきますので、脂肪を分解させる栄養素や成分を効率よく循環させていくのですね。

以上のメカニズムから、健康を維持していくのに如何に運動が大切であるかということが分かると思います。

そして、実際、文部科学省からも現代社会が抱える健康問題についての審議会が行われております。以下の項目がその内容になります。

【生涯にわたる心身の健康の保持増進のための今後の健康に関する教育及びスポーツの振興の在り方について(保健体育審議会 答申)】

この答申の中で、超高齢化社会になる事への社会の歪みや、高度技術化に伴う人間関係希薄化、精神的なストレス、運動不足、職業病などによる心身両面にわたる健康上の問題について触れております。そして、児童生徒の体力・運動能力低下や、薬物乱用、いじめなどによる心身両面の健康問題についても触れているのですね。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/old_chukyo/old_hoken_index/toushin/1314691.htm

詳細は、上記のサイトに書かれておりますので、参考までにご覧下さい。

時間がない症候群 運動不足が招く健康問題

実際に運動をしたいと思っても時間がなくて出来ないと言っている方が多いですね。確かに日本では残業が美徳である様な風潮があります。美徳だと思っていなくても業務が多くて残業になってしまう事も事実です。

朝早くに出勤し、夜遅く帰宅していては、確かに運動する時間はないでしょう。

しかし、そんな生活を続けていては、いつか病気になってしまう可能性があります。

「時間は作るもの」自分の生活パターンを見直し、合間に軽くでも運動する時間はないか、見直すべきです。隙間時間は、必ずあります。1日中、デスクにへばりつかなくてはならないなんて状況はないはずですよ。

トイレ休憩のついでに軽くストレッチをする、通勤時に一駅前に降りて会社までウォーキングをするなど、日常の生活パターンの中に工夫さへすれば、必ず身体を動かす機会はあるはずなのですね。

こんな研究結果があります。

Saltin というストックホルム出身の医学博士の研究チームが、1968年に運動不足の身体への影響について研究しました。

大学生にベッドの上で安静の生活を20日間させたところ、体脂肪が増加し、最大酸素摂取量が30%程度減少したという研究結果が出ました。最大酸素摂取量とは、1分間に体重1kgあたり取り込む事が出来る酸素の量(ml/kg分)を示し、全身持久力の指標として用いられております。

呼吸をする事で酸素を体内に取り入れて、酸素を利用して糖や脂質を分解する事で運動エネルギーを作り出しており、運動強度が高くなったり運動継続時間が長くなったりしても、体内に十分な酸素を取り入れて利用する事が出来る能力が全身持久力です。

病気の為に2週間程度入院をして、ベッドで安静を強いられた結果、筋肉が細くなり、少しの歩行でも疲れる様になったという経験がある方もいるでしょう。

この研究結果からもわかる様に、運動を全くしなくなると筋肉がなくなり、あらゆる身体機能の低下を引き起こし、結果、病気を招く事になるのですね。

あいち健康の森健康科学総合センターによる「現在の運動習慣と体力」についての調査においても、筋力、柔軟性、敏捷性などの体力指標は、過去及び現在とも定期的かつ継続的に運動を実施している者においては最も良好な成績であり、過去及び現在とも運動習慣のない者は、最も低い結果が出ております。

そして、その他にも体脂肪率、HLDコレステロール、トリグリセライド、空腹時血糖値も、過去にも現在においても運動習慣がある者が最も良い成績なのですね。

この調査の結果から、運動不足であると、骨粗鬆症、うつ病、がん(乳がん、大腸がん)、更年期障害などになりやすい事が判明しております。

以上の研究や調査からも、運動が及ぼす健康への影響が如何に大きいかが分かりますね。

有酸素運動がもたらすリラックス効果と脂肪燃焼効果

心と身体は、一心同体、切っても切れない密接な関係にあります。「病は気から」という言葉がある様に、心の状態は、身体に反映されます。

運動不足が健康に弊害をもたらす様に、ストレスも健康に弊害をもたらし病気を招きます。

そのストレスを解消する事が出来るのが、運動でもあるのですね。そして、その運動の中でも有酸素運動が、リラックス効果をもたらすと言われております。

多くの研究結果により、有酸素運動は、「身体疲労回復」、「精神疲労回復」、「病的疲労回復」に効果があるという結論が出ております。セロトニンやエンドルフィンを増やし、免疫力を低下させる化学物質を排除することから、うつ病やその他疲労を伴う精神疾患に効果があるという事なのですね。

有酸素運動の代表である「ウォーキング」がもたらす精神的な効果についての記事がありますので、参考までにご覧ください。この記事の中に有酸素運動による身体面・精神面に与える効果について詳細に記されております。

朝フラ 朝ウォーキングがうつ病改善に良いとされる理由

この記事からも運動する事で、酸素がしっかりと体内に入り、あらゆる身体機能が向上する事が分かりますね。この身体機能の向上が、脂肪燃焼の効率化に繋がっていくのです。

人間の身体を構成している臓器、筋肉、骨などは、各々の役割を持ちながら、連携プレイをしております。よって、1つの身体機能が向上する事によって、それは多方面に良い影響をもたらしていきます。

脂肪燃焼のメカニズムの中で、効率良く働くためには、血液の流れが重要になります。糖質や脂質などの物質を運ぶのは血液です。よって、血流が悪いと、脂肪燃焼の働きも結果、悪くなるのですね。

また、ストレスも脂肪燃焼にとって敵になります。 ストレスは、睡眠不足を招きます。睡眠不足は、体重増加を招きます。睡眠中にカロリー消費を活発にする、つまり脂肪燃焼させる働きをする「成長ホルモン」は、就寝中に分泌されるので、しっかりと睡眠を取らないと、この成長ホルモンは分泌されません。特に深い眠り、熟睡している時に、盛んに分泌されるのです。

深く眠る事で、それだけでエネルギーを消費し、ダイエット効果があるのですね。

そして、睡眠不足になると、食欲を抑えるホルモン(レプチン)の分泌が減少して、反対に食欲を増進させるホルモン(グレリン)の分泌が増加しますので、食べ過ぎになってしまう可能性があります。また、成長ホルモンは、筋肉を成長させる役割もありますので、成長ホルモンの 分泌が減少すると、筋肉量が減少し、基礎代謝の低下、脂肪燃焼効率の低下につながり、太りやすい体質になってしまいます。

こうして、ストレスが原因による睡眠不足などによって、あらゆる機能低下をもたらし、脂肪燃焼の効率が低くなってしまうのです。

よって、有酸素運動により、酸素をしっかりと体内に取り込む事で自律神経のバランスを整え、リラックス状態になり、身体のあらゆる機能が向上します。そして、ストレスが解消され、適度な身体の疲れが快適な質の良い眠りへと導きます。この様な相乗効果により、脂肪燃焼効率の良い身体へとなっていくのですね。

有酸素運動としての「フラ」の脂肪燃焼効果と時間

緩やかなイメージのあるフラは、日本でも人気のあるダンスの1つです。子供から年配者まで幅広い層でフラは親しまれております。

別の記事でも説明した事がありますが、フラは、一見、緩やかなイメージがありますが、実は、本場ハワイのフラは、かなりハードなダンスなのですね。中腰で、背筋を真っ直ぐにキープしたまま踊るわけですから、下半身の筋肉は勿論の事、上半身が前傾しない様に、腹筋、背筋もかなり要求されます。

よって、フラを踊るにあたり、相当な筋肉が必要なのです。脂肪燃焼効率を良くする要因の1つとして、筋肉量の増加でしたね。この点からもフラは、脂肪燃焼を効率良く働かせる事が出来ます。

ステップの練習においても、中腰でステップを踏むので、中強度の運動レベルがあると言えます。(※年配者対応のレッスンや教室によっては、軽い運動レベルの場合もあります。)このステップの練習を、40分〜50分間することで体内で起こる脂肪燃焼メカニズムが効率良く行われていくのです。

運動してから、約20分後に脂肪燃焼がされると言われておりますが、20分間だけ身体を動かせば良いというわけではありません。20分後からスタートですから、完全に脂質、脂肪が燃焼されるのには、40分〜50分は必要になります。ステップの練習にそれだけの時間を使えない場合は、その時間内に曲の振付の練習を含めても良いでしょう。

そして、何と言ってもフラの醍醐味は、聴いているだけでも癒されるハワイアンソングをバックミュージックとしてレッスンをする事が出来るところです。ハワイという土地そのもの自体がヒーリングであると言われております。その様な土地から産み出された音楽は、ヒーリング、癒しそのものなのですね。

よって、筋トレも出来る、ステップの練習をしながら筋力を鍛え、尚且つ癒しのミュージックを耳で感じながら身体を動かす事が出来るフラは、脂肪燃焼を効果的にされるのに最適な運動と言えるでしょう。

まとめ

一言で、脂肪燃焼と言っても、メカニズムを知ると、身体と心が密接に関わっている事が分かりますね。やみくもに、食事制限したり、過激な運動をしてダイエットを試みてもかえって、体重増加を招き、健康を害する事にもなり兼ねません。いつまでも健康で良い身体の状態を維持していくためにも、生活習慣、食生活、運動、心の潤いの時間の確保など、総合的な面で見直す事をお勧めします。